臼井幼稚園でも、支援の必要な子が増えているという実感。
なぜ?と言う他ないし、支援してくれるところがない、という現実。
ここ13年で10倍に増えているという。(文科省の調査結果)
増えたのは本当に「発達障害」なのか?という疑問を、臨床に携わる医師が支援事業を通じて問うたこの本。私たちも、なんだか違う、惜しい、だけどどこをどうしたら?と思い続けているところ。
よく表現されるのがグレーゾーンという言い方。こういう言い方は好きではないけれど、一般にはそう言われる。本人も、ご家族も知らないところで。。
この本に興味がある方はご購入を。
内容は間違っていないし、きっと正しい。でもちょっと私の思うところとは異なるところもある。
表現も、えっ?と思うこともあったりして。
参考になりそうなところをご紹介します。
発達障害もどき?
発達障害もどきとは、「発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けのつかない小康を示している状態」で、教育現場で発達障害を疑われる。そのために、現場も、親御さんも困っている、という状態だ。
- 医師以外の、幼稚園の先生や学校の先生から「発達障害では?」と言われる。
- 「発達障害」の診断を受けたものの後々症候が薄くなるもの
生育歴に問題はなくても、あたかも「発達障害のような」行動が見られる。
脳の発達においては、生まれてから5年間は「動物として生きていくためのスキルの獲得」が優先されなければならない。生活の中で五感に繰り返し刺激を入れて脳を発達させ、自然界で生き延びる力を獲得するのが大事で、この原始的な脳が発達していないと、言語も感情制御も社会性も獲得できない。
生活リズムが乱れ、電子機器(スマホ、タブレット、テレビゲーム)を多用すると、この原始的な脳の発達が遅れ、脳機能のバランスが崩れるため、発達障害のような行動を見せるのだ、と著者は言う。
診断はどうやって?
- 母親の胎内にいる時から生まれた後の生育歴
(アルコールやたばこ、予防接種、薬) - 生活環境、夫婦関係、祖父母との同居の有無などなど(病院によって異なる)
- 心理検査
医療機関選びのためのポイント
- 発達障害の対応をしている医療機関かどうか
- その医療機関で心理検査が行われているか
- 心理士(公認心理士または臨床心理士)が検査を行ない、対応してくれるかどうか
うちの子「発達障害?」と思ったら
脳の発達には順番がある
1.からだの脳
呼吸、体温調整など生きるのに欠かせない機能を担う
2.おりこうさん脳
言葉・計算の能力、手指を動かす力など、勉強やスポーツに関わる
3.ここの脳
想像力を働かせる、判断するなど、「人らしい能力」を司る
この1から3が順番に育つことが大事。
脳の成長バランスが崩れると、「発達障害もどき」になるという。
5歳まではからだの脳を優先的に育てる時期なのに、早期教育などでおりこうさん脳を刺激してしまうと、土台がうまく育たたないことがある。土台がしっかりしていないと、将来何かあった時に全体が崩れてしまうことがあるのだ。
脳のバランスが崩れた結果、「落ち着きがない」「集団行動ができない」「ミスや忘れものが多い」子になってしまうことがある。これこそが「発達障害もどき」だ、と著者はいう。
脳の立て直しをするには生活を改善すること
- 朝日を浴びられる時間に規則的に起きる。
- 質・量ともに十分な睡眠をとる。
- 規則正しい時間に食べる
子どもにとって生活はとても大事
生活の中にはそこにしかない子どもの学びや育ちの機会がある。
「お手伝いをさせてください」よく幼稚園でも夏休みの宿題、なんて言って親御さんにお願いする。
これが自己コントロールのいい機会になる。やりたくない時もあるけれど、それでもやってみたら家族に褒められたという経験が子どもの自己肯定感を育てる。
日々少しずつ重ねていく自己肯定感は生涯子どもを支えてくれるものになる。
忙しい親御さんも多いと思うけれど、コミュニケーション不足が言葉の遅れに繋がることもある。
子どもはお母さんの表情や雰囲気を思っている以上に敏感に感じとるものだ。
「叱る」「怒ってしまう」ことも6秒待ってみて欲しい。負のループに陥ってしまう前に。
子どもは叱られると攻撃性と不安が増す。こうなると、活動のパフォーマンスが下がり、何に対しても成果が出にくくなる。
不安と攻撃性から出た行動(落ち着かない、すぐにキレる、友達とうまくコミュニケーションがとれないなど)から「発達障害」と間違われることもある。
「発達障害」と間違われる、疑われる前にはまず生活習慣を変えることが大事だ。
小さなことだけれど、子ども達のために、大人が変わっていくことから始めよう。
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