前回の続きを、未就学児向けにフォーカスしてお伝えしていこう。
アトピーや花粉症、食物アレルギーをもつお子さんが、年々増えていると感じる。
またイライラしやすい、落ち着かない、お腹が痛くなりやすいという子も。
つい「気持ちの問題」「性格の問題」と捉えられがちだけど、本間先生によると脳・皮膚・腸が互いに影響し合っていることがわかってきたそうだ。
今回は、子どものアレルギーや情緒、お腹の不調について、
食べるものと、身体の状態という視点からお伝えしよう。
脳の状態は皮膚にあらわれる?
アトピー性皮膚炎は、一般的には「皮膚の病気」と考えられてるが、実は、脳の状態や身体にかかっているストレスが、皮膚に反映されている可能性も指摘されている。
近年、アレルギーをもつ子どもが増えている背景には、生活リズムの乱れや食事内容などが重なり、副腎が疲れやすい状態になっていることも考えられる。
また、グルテン(小麦)やカゼイン(乳製品)を控えることで、
お腹の調子が整い、結果として皮膚の状態が落ち着くケースもあると言われている。
すべての子に当てはまるわけではありませんが、身体の内側から整える視点も大切にしたい。
なぜアレルギーのある子はイライラしやすいのか
脳と皮膚は、実はとても深く関係している。
脳の構成成分の多くは「脂質(油)」でできているので、どんな油を日常的に摂っているかは、
皮膚の状態だけでなく、気持ちの安定や集中力にも影響すると考えられている。
スナック菓子や揚げ物などに使われる油を摂り続けることで、身体に炎症が起こりやすくなり、
かゆみやイライラ、落ち着かなさとして表れることもある。
「アレルギーがあるからイライラする」のではなく、身体の状態が心の状態にも影響していると考えると、子どもの行動の見え方が少し変わってくるかもしれません。
「おなかが弱い」は別の原因が隠れていることも
慢性的な便秘や下痢、
「お腹が痛い」と訴えて園や学校を休んでしまう子どもも増えている。
これまでは、
・食物繊維不足
・運動不足
・自律神経の乱れ
・心の問題
と言われてしまう。もちろん、それらが関係している場合もあるけれど、腸内環境そのものの乱れが影響していると本間先生は言う。
腸内環境とSIBO(小腸内細菌増殖症)という考え方
「お腹の調子が悪い=乳酸菌をとればいい」と思われがちだけど、必ずしもそれが合わない子もいる。
発酵食品や食物繊維を多く摂ることで、
かえって
・お腹が張る
・ガスが多い
・食後に下腹部がぽっこりする
といった症状が出る場合もある。
こうした状態が出る子ども(大人でも)は
**SIBO(小腸内細菌増殖症)**かもしれない。
これは、本来あまり菌がいない小腸で、細菌が増えすぎてしまう状態を指します。
もちろん、自己判断はできないし、すべてのケースが当てはまるわけではない。
ただ、「乳酸菌が合わない子もいる」という視点を知っておくだけでも、
子どもの身体を理解するヒントになります。
子どもの状態を知ること
子どもの行動や不調を、
「わがまま」「気持ちの問題」「性格」と決めつけてしまうのは違うかもしれない、ということをお伝えしたい。身体は食べ物でできているから、摂った食べ物で身体の状態が決まり、心に影響し、心の状態が行動に現れるということだ。
一人ひとり、体質も感じ方も違う。
同じ対応が、すべての子に合うわけではないけれど、アトピーで苦しんだり、花粉症で困っているアレルギーのお子さん。
落ち着きがない、イライラしがち、などと性格や特性、と決めつけられてしまうお子さんがあまりに不憫ではないか。摂るべき食べ物、摂らない方がいい食べ物で、身体の状態が決まるのであれば、よりよいものをと、親御さんなら思うでしょう?
今回はここまでで、また続きを書きます。
前の記事はこちらです

コメント