「発達障害は栄養で良くなる」サリー・カーク著⑥腸の問題

著と脳と発達障害の症状の関係性について

発達障害の子ども達のほとんどが腸のトラブルを抱えている。サリーさんはそのことを知ってとても驚いたそうだ。定形発達の子どもたちや他の神経発達の病気の子ども達よりも、格段に多いとのこと。

ウィルの腸の問題を治療して、発達障害の症状の多くが回復したとサリーさんは言う。

腸と脳は繋がっている?

「腸を治せば、頭も良くなる」<Defeat Autism Now!>の専門家達はいうそうだ。

腸に問題があると、例え身体にいいものと言われるものを食べても、消化器官の機能が損なわれていたら、食べ物は無駄になってしまう。身体に入れたらすべて栄養になるとは限らない。
どんなにたくさん食べても、そのまま出て行ってしまう。

身体が栄養不足になるだけでなく、消化されない食べ物が腸の中で腐ってしまう。そして未消化の食べ物が本来入るべきではない血流に入ってしまうと、免疫システムがそれを外的とみなして攻撃し、アレルギー反応が起きる。そういう食物過敏症によって、さらに望ましくない症状や行動の異常が現れる。
免疫システムの攻撃は、自分の身体にもダメージを与える。
麻薬のような作用を脳に及ぼしてしまうこともあるそう。
ちょっと怖い話になってきた!

腸のトラブルから生じる行動

身体や脳に栄養が足りていない + 免疫反応
→どんな行動が表れるだろうか? 免疫反応が加わるとさらに複雑になる。

腸のトラブルには痛みや不快感が常に付きまとう。
腸の健康が損なわれることで生じる問題行動と、発達障害の症状は、ぴたりとあてはまる。

  • 逆流性の炎症やガスがたまる等の胃腸トラブル
    夜も眠れず、食欲がなくなる。大好物だけが食べられるので、そればかりを食べていると、偏食のレッテルを貼られる。
  • 胃腸の調子が悪いと、イライラしたり機嫌が悪くなり、気が短く、攻撃的になる。何の理由もなく泣き叫んだりする。それは痛いから。(誰でもそう!)
  • 便秘、下痢、すぐに吐く
    赤ちゃんの時から痛みや不快感がずっとあるので、もう慣れっこになっていて、我慢するのが普通の状態。言葉が話せるようになっても、自分にとっては普通の状態だから痛いと言えない。身体の内側の不快感や痛みに気を取られて外の世界に集中できない。
  • 未消化物が腸からもれて、間違って脳に紛れ込んでしまう。
    すると、麻薬中毒患者のように、放心状態で宙を見つめていたり、注意集中力が損なわれたりする。頭が混乱して、場の状況を理解できない、適応できない。
    集中力が最低限の中で注意を向けられるのは鉄道やレゴ遊びなど大好きなものだけ。(心のバランスをとっている)

ハーバード大学で消化器病学を教えるティモシー・ブイエ医師は、スペクトラム上の子ども達は精神的・神経発達的に障害があるという以上に、痛みに苦しんでいる病人なのだと、発言している。

身体の痛みや不快感が治療で治ると、精神的な症状や行動も、実際に改善するのだ、とサリーさんは言う。

腸のトラブルがあることを示すサイン

  • 家族に胃腸の病気が多い
    生まれつき胃腸が弱い可能性がある。
  • 免疫システムが弱く、病気になりやすいのは、腸の状態が良くないサイン。
    幼児期に繰り返す中耳炎、ウイルス感染、、真菌感染、湿疹、呼吸器アレルギー、小麦・乳製品を含む食物アレルギーなど。これらの症状は、腸の病気の前兆。正常な腸の働きは健康な免疫システムに依存している。
    下痢、便秘などの便通の異常は、腸の不調のサイン。

    消化器官についてもっと知りたい方は
    マイケル・D・ガーション医師の
    『セカンド・ブレイン ー 腸にも脳がある』(小学館)を参考に。
  • 抗生物質の服用
  • 小児ワクチンに含まれる水銀
  • 乳児期の疝痛
  • 母乳育児ができなかった
  • 体質的に毒素や有害金属をうまく排泄できない

    など、要因は色々あり、それらの要因がさらに腸の状態を悪化させることもありうる。

腸内環境について語り始めると、とても長くなるから

腸内のトラブルがあると、身体にも行動にも深刻な症状が出る。表面化した症状を治療するには、腸の負のスパイラルに気付くことが第一歩、とお伝えしておこう。

<ウィルの場合:本からそのまま引用>
ウィルは水銀入りワクチンの使用がピークだった(1991年から2001年頃)に症にワクチンを定期摂取して水銀毒にさらされた。また、1歳までに9回抗生剤を一定期間飲み続けた。2歳までにさらに7回抗生剤を飲んだ。3歳でさらに6回服用。その後も耳の感染症を予防するために飲み続けた。
小児科医はなぜふんだんに抗生剤の飲み薬を出したのか。
さらに繰り返す耳の感染症、副鼻腔炎、口腔カンジダ症、オムツかぶれ、慢性的な下痢などの症状が、点滅するネオンサインのように腸内環境の悪化を示していることも、まったく知らなかったに違いない。それらの症状は別々のものとして治療された(抗生剤の処方)

根本的な問題に気づけば、治療のチャンスがある。健康、脳機能、行動を改善するには、腸内環境をよくすることが鍵なのだ。稀に効果のない人もいる。
発達障害の治療は、腸から始める。ここからの成功が最優先だ

「発達障害は栄養で良くなる」サリー・カーク

本には引き続き、腸の改善方法が具体的に記載されている。
ご興味のある方は、ぜひ自分で読んでみて欲しい。
健康な人にも有効な内容である。健康だと思っていても、例えば乳製品を食べた後に片頭痛が起きたり、おなかがゆるくなったりするのを見過ごしていないだろうか?自分の身体からのサインをちゃんと受け止めることが健康に過ごすためには大事。薬を飲めばいい、その考えが身体を壊しているのかも!

これでサリーさんの本の紹介はおしまい。

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