神経発達症(発達障害)にグレーゾーンは無いというはなし

ADHD

グレーゾーンとは、物事の中間領域・あいまい領域の事を指すことばである。白でも黒でもない曖昧な状態をグレーと喩え、どちらとも付かない状態のことを指す。

Wikipediaより

発達業界でよく使われるこのグレーゾーンという言葉、個人的にあまり好きではありません。

グレーだから、黒ではないから安心?

グレーだからまだ希望が持てる?

いえいえ、それはちょっと違うかもしれません。

うちのハイパーエキセントリック多動ボーイの主治医(脳専門のドクター③)はこのように言っています。

MRIで脳を見れば発達の凸凹は分かります。脳にはボーダーラインもグレーゾーンもありませんよ。

要は脳の中を見ればグレーゾーンは無く、「特性があるのか、ないのか。その特性が大きいのか小さいのか」ということだけ。脳内をきちんと診れるドクターからすれば曖昧な部分なんて存在しないんです。

逆に精神科医や発達外来のドクターは脳内を診ることが出来ないので、表出している症状や困り感、知能検査からしか判断ができない。微妙で曖昧な部分は表現できないのでどうしてもグレーと表現するしかないのだと思います。

そしてもうひとつ。発達業界では有名な本田秀夫先生(精神科医)のこちらの川柳。

グレーとは 白ではなくて 薄い黒

そうなんです。「白」ではないんです。

もしかしたらこの事実は一部の親御さんをがっかりさせてしまうものかもしれない。

親御さんがなかなか認めたく無い、または認められないケースもあると思います。

でも、母親の勘は正しい。

これに尽きると思うんです。

そもそも発達グレーゾーンは診断名でも何でもありません。

そう考えると、我が家のように幼少期の頃から「もう黒なんです」というのも案外悪く無いのかもしれない。

なぜなら問題解決に向けてすでにスタートをきれているわけで、学校への配慮もお願いしやすく、非常にスムーズ。

悩みは常に深刻だから中途半端に悩む事もほぼ無く、やるしかないので腹も括りやすい。

知能検査の結果からは、現時点での得意不得意の分析も済んでいるので、将来へのロードマップが描きやすかったりもします。

そしてここからが一番大事なことです。

グレーゾーンと言われるお子さんたちの中には、本物のASDやADHDなどではなく、「もどき」のお子さんがいます。

ADHDと非常によく似ているもので、愛着障害というものがありますし、多動といえばまず睡眠不足も疑うべき。睡眠時間が足りていないだけであればまだよいのですが、夜間低血糖を起こしている場合は睡眠時間の割に睡眠の質が悪い状態ということになり、少々厄介です。

そして夜間低血糖を起こしている場合、日中の血糖コントロールもうまくいっていない可能性が高いです。食事やおやつの後、急に眠くなる、機嫌が悪い、キレやすくなるという症状があれば要注意かなと思います。

あとは栄養方面だと亜鉛不足の場合すぐキレたり、攻撃的。加えて偏食気味だったり。

最後に、わたしが最近よく記事にしている原始反射が残ってしまっているケースでも神経発達症に似た様々な症状が出てしまいますよね。

上記以外にも神経発達症もどきを作り出してしまう環境はたっくさんあります。

グレーゾーンの前にこれらを疑ってみるのが本筋なのでは・・・思ってしまうのですが、いかがでしょうか?

そこまで見てくれるドクター、保健師、療育先の指導員、国内にどれだけいますか?

ぜひ、脳科学、脳神経学、遺伝学、生化学、栄養学、分子栄養学、心理学、親子関係の在り方などの必要なカテゴリー全てを横断してその子の困り事を考えてあげて欲しいです。膨大な知識が必要になるかもしれませんが、これら全て「支援」に必要なものですよ?

極端なはなし、うちの子多動で療育通ってるんです…が単なる睡眠不足や、シュガーハイだった。や、うちの子拘りが強くてASDの傾向があるって病院で言われたんです…が、単なるモロー反射などの複数の原始反射が強く残っているだけだったなんてオチは誰も望んでいないですよね。

自称専門家のみなさん、お願いだからご自身の専門分野の垣根を超えて関連があるものには興味を持って学んで欲しいし情報も常にアップデートして欲しい。

発達っ子たちは『対処療法だけでは救われない』ので。

2年前、大学病院帰りの車内で、こんなに通っているのにどうして状況が変わらないの⁈と号泣したsazaeより。

コメント

PAGE TOP