恐怖の就学時健診

sazaeのひとりごと

前回『神経発達症 ~医療機関との付き合いかた~』で就学時健診について少し触れたので、今回は我が家の場合どれくらい前から何を意識していたかなどを書いてみたいと思います。

年長さんはそろそろそんな時期ですよね。

確か一番最初に『就学時健診』の存在を知ったのは年中の時で診断された後、障害について猛烈に勉強していた時期でした。リタリコが開催していた無料セミナーだったと記憶しています。

そこでは、講師が成人から逆算して今何をすべきかがポイントで、発達っ子の高校の選択肢はこんな感じで、高校受験するためには内申点が必要。そのためには中学校で普通級に所属していなければならなくて(支援級は成績が付かないため)、更に小学校で支援級にいていきなり中学から普通級というのは現実的ではない(いなくはないけれど)。すなわち、小学校入学時に支援級だった場合、中学入学までに通級を経て高学年には普通級でやっていけていないと、将来高校受験に影響が出る。その第一歩としての位置づけとして小学校入学前の『就学時健診』があるのです。

というような内容でした。

発達っ子は高校受験すらできない可能性があるとは・・・・。

診断されたばかりのsazaeには結構衝撃でした。

ですが、講師の言葉はそれ以上でもそれ以下でもない。その場でこれが事実なのだと認識しました。

んー、じゃあどうしよう。

ちょうど時期を同じくして民間の療育に通いだすタイミグだったので、個別支援計画書の大まかな目標には『小学校までに40分着席して授業を受けれるようになる』を掲げました。これは卒所(療育機関は事業所なので卒業ではなく卒所といいます)まで約2年半変えることなく貫き通しました。

まず、最低でも40分の着座が保てないと普通級では厳しいと思ったからです。

そして肝心の本人はというと・・・年長に上がった時点でも正直怪しかった!苦笑

もうこの時期くらいからは本人にもきちんと伝えていました。

「小学校はね、みんなとお勉強するクラスと少ない人数でゆっくりお勉強するクラスの2種類がある。あなたがもし決められた時間座ってきちんと先生のお話をきいて過ごせない場合、少ない人数のクラスになる可能性がある。だってみんなが先生のお話聞きたいのに、立って話しながらウロウロしている人がいたらどう?みんな、ちょっと聞こえなーい!ってならない?ママは少ない人数であなたのペースで過ごせるクラスでもいいと思う。あなたはどっちのクラスで過ごしたい?」

すると彼は「みんなといっしょにおべんきょうしたい!!」と答えた。

なるほど、そうなんだ。

「OK、じゃあその為にはこれから立ちたくなっても少し我慢することが大事だよね?これから練習していこう!」

本人に少しでもいいから入学した後の世界を意識してほしい。実際はこんな諭しながらみたいな雰囲気ではありませんでしたが、このあたりから家でも少しずつ『就学に向けて仕上げる』ことを意識していきました。

それと並行して、今まで色々なものに守られていた本人が小学校での現実に凹まないように『世の中の理不尽』を家の中で少しずつ経験させることも意識していました。理不尽な経験は『まず家でこのわたしから』そう決めて。

わざと予定を変更して動揺させたり、勝負事でわたしが圧勝してみたり、わたしが盛大になにかをやらかしてリカバリーする姿を見せたり、などなど。。。

完璧主義な彼なので「ぎゃーっ!!」となるのだけど、sazae流軍曹療育?で少しは免疫がついたはず。笑

あとこれは年中の頃からですが『人それぞれだから』『そんなこともあるよ』ということは事あるごとに伝えていました。どうしても白黒思考で他人がルールを外れることが苦手な彼。なかなか受け入れられない現実に遭遇しても妥協してなんとかみんなとやっていけるようにと。

いつまでやればいいのかなー・・・と思いつつ、未だにどれも意識して生活の中に組み込んでいます。

その甲斐あってか?場合によっては「まぁいいか」が言えるようになった彼。成長を感じます。

あと実はうちの子、正直わたしとしては年中の終わりまでは普通級は考えていませんでした。あわよくば通級かなー?という感じ。

なぜなら、幼稚園ではほぼ毎日?癇癪などで部屋を飛び出してしまうことがあり、加配(補助)の先生が外れる気配がなかったからです。

加配の先生が付いている=わたしの中で普通級はありえませんでした。

それがなんと、年長に入ってから本人の様子が変わり、もしかしたら普通級いけるんじゃないかという雰囲気に変わってきた。とりあえず担任の先生と面談し、勢いに任せてもしいけそうなら普通級目指したいです。多少厳しくても構わないのでよろしくお願いします!と伝えた。

あと年長に入ってからやったことは、客観的に見て彼はどうなのか知りたくて、幼稚園、療育先、病院2件(ドクター②③)の全員に小学校は支援級、普通級のどちらがいいと思うか意見を求めました。

親は普通級に行けると思っていたのに、専門家はそうは見ていなかったという鮮やかな勘違いはしたくなかったからです。これは考えただけでも相当恥ずかしいですよね。。。

結果はドクター②以外は普通級でいけるんじゃない?という意見でした。

特に脳専門のドクター③は多動に支援級なんて刺激がなさすぎてだめだめ!教育委員会が何か言ってきたら俺が言ってやるし、一筆でもなんでも書くから!と普通級をごり押し。本当に頼りになる。

ドクター②はなぜ支援級推しだったかというと・・心当たりは大ありで、ドクター②のところでは、リハビリ中にほぼ毎回盛大にやらかしていたからです。大汗

癇癪からの暴れる、テンションMAXからの多動多弁、終わりの時間を切り上げられない、診察室の回転椅子で回りだしたら止まらない などなど。上げたらきりがありません。

そして就学時健診に必要な知能検査はここでお願いすることになっていたのですが、本人が多動&検査拒否で通常1発本番2時間くらいで終わる内容がまさかの4回に分割して受けざるを得ない状況。。。。

しかも風邪で予定が狂ったりでもう期限に間に合わないんじゃないかと思いました。

というか正確には最後の項目は間に合わなくて前回受けた古いスコアのものを提出るすことに。これ、今受けたら絶対もっと数値高いはずなんだけどなぁ・・・。となくなく提出したのでした。

これから就学前の知能検査が必要になる療育ママさんたちへお伝えしたいことはただ一つ。

遅くとも秋くらいには検査結果が手元に用意できるよう動いてください。夏休みに検査受けるくらいがちょうどいいのかもしれません。(遅いとギリギリでハラハラしてしまうし、早すぎても数ヶ月後にIQなどの結果が伸びる可能性があるからです)

多動っ子は特に注意してほしいです。うちみたいに分割になったら結構長丁場。結果が出るまでも数週間はかかります。

あとは検査拒否が懸念されるお子さんも。もし測定不能と判断された場合、それがそのまま結果になってしまうので。

ちなみにうちは年中の1月頃から予約を入れていました。

どこの検査機関も春には徐々に予約が埋まりだします。

お子さんがどこで受ければ負担が少なく安心して検査が受けられるのかを踏まえ、お世話になっている医療機関で検査するのか、市の発達センターなのか決めて動いてください。

ちなみにもしどうしてもタイミングを逃して予約が間に合わない場合、有料になってしまいますが都内のブレインクリニックなどで受けることも可能だと思います。メンサに入会する人がここを使って知能検査することが多いイメージ。

ちなみに、幼児教室などが行っている『知能検査』と謳っているものはあくまでも商業用のもの(IQがあえて高く出るように設定されている)で正規の知能検査ではないのでご注意ください。

地域や機関によって種類は異なりますが、正規の知能検査には下記のような種類があり専門家(医師・臨床心理士・公認心理士など)が行います。

・ウィスクラー式知能検査(WAIS・WISK・WPPSI)

・田中ビネー知能検査

・鈴木ビネー知能検査

・K‐ABC

実際にあったはなしですが、親御さんが定型発達だと思っていたにも関わらず、就学前健診で小学校から「ちょっと検査を受けてもらえませんか?」と言われてしまい、そこから検査の予約を取ろうとしたが、どこもいっぱいで困り果ててしまったという親御さんの話を聞いたことがあります。

こういったケースはあまり無いパターンだとは思うのですが、それくらい予約がいっぱいで少しの融通も利かないのか・・・とびっくりした覚えがあります。

はなしが逸れてしまいましたが、療育ママさんの年長の大まかなスケジュールとしては

・5月に市が開く発達に不安があるお子さんがいる親御さん向けの就学相談会

 ※この時点で夫婦間の意見はある程度合わせておいた方がいいと思います。よくあるのが、お母さん  は支援級だと思っているのにお父さんは普通級に行けると思っていて揉めるパターンです。療育先や園での様子を一番分かっているのはお母さまだと思うので、なかなか辛いですね。。。

・教育委員会との面談

・夏休みくらいまでに学校見学を済ませる(秋は運動会などで学校側もバタバタしています)

・学校によっては夏くらいに発達に不安がある親御さん向けの説明会があるかも

・小学校以降も療育機関(小学校からは放課後等デイサービスとなります)を利用する場合は夏くらいから何か所か見学して決めておいてもいいかもしれません。人気の事業所はやっぱり争奪戦。

・秋に定型発達のお子さんと一緒に就学時健診へ参加(基本は母子分離です)

・12月に教育委員会から郵送で通常学級なのか支援学級なのか「決定通知書」が届く

・決定に意義申し立てがあれば小学校と面談

・入学前に担任の先生に本人のサポートブックなり渡すついでに軽く面談など

 ※ サポートブック(自作)は本当にお勧めします。ネットで「サポートブック 就学時」などで調べてみてください。

・申し出れば4月に入学式の前日に式の予行練習に参加できる

このような感じでしょうか。

そしてうちのハイパーエキセントリック多動ボーイ、就学時健診でも盛大にやらかしました。

初めて行ける場所が楽しみすぎて前日からテンションMAX!

当日は母子分離だったので、迎えに行った時の教育委員会の担当者の顔を見た瞬間、「あぁ、やらかしたな・・・」と確信しました。だってわたしの顔をみた途端もう笑っちゃっていて、ニヤニヤ。わたしも思わず笑っちゃいました。

どうやら「これは何?」「あれはどうやって使うの?」などの質問攻めでアクセル全開だったそう。

なので12月に決定通知書の封を開けるときはリアルに手が震えました。

そして夕方冬の寒い玄関でひとり、審議結果の欄に『通常学級への就学が適切です』の文字を見た時は泣きました。

でも安心したのも束の間、本当にやっていけるの?大丈夫?という疑問と年齢が進むにつれて普通級に居づらくなる日がくるかもしれない、などの不安も一気に襲ってきたのが実際のところです。

ですがまあ、今のところ本人は楽しく通えている模様。今のところ。

ハンカチ1枚なくしただけで大パニックになる彼が、対人関係に関しては本当に鋼のメンタルというかなんというか・・・。

そうだ、最後に一つだけ追記を。

発達っ子、公立が合わない場合は私立という選択肢もあると思います。

何か際立って得意なことがあるお子さんや○○博士的な何かを極めているお子さん、逆に公立が合わない場合もあると思うのです。

発達っ子の中には受験が向いているお子さんもいらっしゃいます。

年中くらいから徐々に小学校を見据えて取捨選択をしていけたらいいですね。

といあえず、泣いても笑っても幼稚園の卒園式はやってくる。

発達に不安があるお子さんの親御さんには特に、やれることはやりきったと胸を張ってその時を迎えて欲しい。そう思います。

みなさんいつも本当にお疲れ様です。

それではまた。

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