子どもの睡眠不足は一生のハンディを負う?

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urapageにも書いた柳沢正史先生の怖いお話し。

睡眠不足は記憶の海馬が育たない

海馬は、脳の側頭葉にある。
海馬は記憶の形成、整理、記憶の取り出しだ。

海馬の処理手順

得た情報を一時的に保持する(記憶の中継所)。
ここで記憶が整理されると、その情報を大脳皮質に移し、長期記憶として保存する(記憶の固定)。
このプロセスは睡眠中に特に活発に行なわれるという。

海馬が傷つくと

アルツハイマー病やその他の認知症、一時的な記憶喪失や永続的な記憶障害を引き起こす。

十分寝ている子

柳沢先生によると、
『脳の海馬という部位は、アルツハイマー病で最初にやられる構造なんですね。脳の側頭葉の奥深くにあるこの海馬の容積をMRIではかれるわけですよ。画像でこれを2百数十名の子どもで測ってその一人ひとりの子どもが毎日何時間寝てるかっていうのをプロットすると、見事に眠ってる子ほど海馬がでかいんですよ』

子どもの脳を調べると、この海馬の大きさが「睡眠時間の長さ」と関係がある、そうだ。
つまり、「睡眠時間の短い子ども」の海馬は小さく、「睡眠時間の長い子ども」の海馬は大きく成長している。だから、過度の子どもの頃の寝不足は、もしかしたら一生のハンディを負うことになるかもしれないとの考えだ。負荷を与えれば強くなるという単純なものではない。

考えなければならないのは、睡眠量が圧倒的に少ない日本の子どもたち。
それを柳沢先生は「一生のハンディ」という。

子どもの睡眠時間確保のためにやめること

柳沢先生は子どもにはどのくらい睡眠が必要なのか、次のように示している。
(アメリカの小児科学データ)

  • 5歳まで 約11時間
  • 9歳   約10時間
  • 11歳  約9時間半
  • 高校生 約8時間半

いかがだろう?お子さんの睡眠時間は十分だろうか?
なぜ睡眠不足なのだろうか?
柳沢先生によると、「親子が一緒に寝る」という文化。
親の生活リズムに子どもを合わせてしまう。親と一緒に眠る、つまり親の都合で就寝時刻が遅くなるのだ。夜中のコンビニ、テレビ、ゲーム、SNSと大人にも誘惑が多い。
柳沢先生は、親と子は別の部屋で寝ることを勧める。欧米ではもちろん0歳児から別々の部屋で眠るようにしつける習慣がある。子どもだけで眠るようになれば、子ども本来の生活リズムと睡眠をとることができる。

昼間眠いのは当たり前?

スイミングクラブ、サッカー、野球、あるいは塾や習い事通いが問題だという。こうしたクラブや塾と学校との二重生活から「昼間眠いのは当たり前というすりこみ」がうまれ、大人になっても続くのだという。日本では睡眠不足症候群のまま会社に入り、「睡眠不足」のまま仕事をする。(耳が痛い!)
徹夜した人の脳のパフォーマンスは、アルコール血中濃度0.1%にもなるという。これはほろ酔いを越して酩酊寸前の数値だとか。

この証拠に「睡眠不足」と国GDPの因果関係は歴然としていた。欧米で睡眠がとれている国ほどGDPが高いのだ。さらに、パワハラ、モラハラ様々のハラスメントが混在する職場の人間模様も、じつは「睡眠不足」が根っこにありそうだという。
ベストの状態で仕事をしていないことに慣れているってどうなの?大谷選手もベストな状態を保つために、一番大切なのは睡眠!と言っているではないか。

子どもが本当にかわいいのなら

子どもを早く寝かせよう。厳密にいえば早寝早起きが必ずしも良いわけではないらしい。人によってそこは違うそうだから。一番最初の年齢別の推奨睡眠時間を参考に、起きる時間から逆算して寝かせる時間を決めて欲しい。

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