赤ちゃんの頃の原始反射が残っていると

ADHD

sazaeです。

今日は前回の投稿「sazae都内を疾走」でも少し触れた『原始反射の残存』について紹介してみたいと思います。

まずはじめに、原始反射とは赤ちゃんが生き残るため、また成長していくために必要とされる動きのことで脳幹によってコントロールされているもの。モロー反射や吸啜反射など、出産後のママさんたちは必ず耳にしたことがあるワードではないでしょうか。

個人差はあるようですが、この反射の多くは生後数ヵ月から遅くとも3歳頃までに消失(統合)するのが一般的。しかし生育環境(ハイハイを十分にしなかった、成長に必要な運動が足りなかったなど)という後天的な理由(100%ではない)によってそれが消失せず残り続けてしまうケースがあるのだそう。

実はsazae、以前から原始反射の残存があると発達にネガティブな影響があるということは知っていたのですが、どうせ近くにこんなマニアックなカテゴリーの専門家なんていないだろうし、自分で勉強して我が子に何かするにしてもセミナーは高額・・・と諦めていた過去があります 涙

ですが先日の講演を聞いてやはり「超」大切なのでは?!と思い直しました。

それで早速購入した本がこちら↓

著者はsazaeのブログに今回2回目の登場、スクエアクリニックの本間良子先生と龍介先生。

本間先生方は日本人初の「米国発達障害児バイオロジカル治療学会(通称:MAPS)フェロー」で、世界における最先端の発達障害児治療法の普及に努めている医学組織に所属されている。

先生方は自身のクリニックでその最先端の治療を日本人の特徴に合わせて応用しながら発達障害の診療にあたっており、成果を上げられている。ですが、そんな中でもすごくよくなる子もいるのにあと一歩の子もいる。この違いは何だろうと考えていた際に出会ったのが「原始反射(脳幹トレーニング)」だったのだそう。

本書では『鍛えるべきは大脳ではなく脳幹である』と書かれている。

子どもに「ちゃんとしなさい」「話を聞きなさい」と、つい叱っていませんか。落ち着きがない子や姿勢の悪い子に「ちゃんとしなさい」、言うことをきかない子に「ちゃんと話を聞きなさい」、注意力のない子に「ちゃんと見なさい」と言うことは、ほとんど意味がないことなのです。親が言う「ちゃんとしなさい」は、実は脳の部位でいうと「大脳」に働きかけている言葉。この言葉には、子どものふるまいや行動を直す効果はほとんどありません。働きかけなければいけないのは「脳幹」です。

「アメリカ最先端医療の実証1日2分!脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる」より 

大脳は人体の司令塔で、ものを考えたり記憶したり、感情のコントロールを担う、いわば人間が最も人間らしくいるための働きをしてる場所。一方脳幹は呼吸や心拍、消化、体温調節などの人間が生きるために欠かせない部分を担っている(脳死の判定をするのもこの部分)。

脳を家に例えると脳幹は土台、大脳は家。しっかりした家を建てたければ、まずは土台をきっちり固めることが大事。本間先生方は、今多くの親御さんが行っていることは土台である脳幹を無視して大脳に働きかけることばかりだと危惧されている。

本書に出てくる例えとして、わたしたち人間が生きていく上で最も優先されるのは安全かどうかである。目の前にトラが現れたとして、わたしたちがとる行動は「戦う(fight)」または「固まる(frieze)」のどちらか。これらの反応は「脳幹」が行っているとのこと。生き延びる為、大脳の判断を待たずに無意識に命を守る行動ができるようになっているのだとか。そして「原始反射」も脳幹による反応であるそう。

原始反射にはいくつか種類があります。個人差はありますが、その多くは生後数ヵ月から、遅くとも3歳ごろまでには消失するのが特徴です。その原始反射が残っている子どもが多いということは、家でいう土台=脳幹がきちんと育っていないということになります。ですから、すべてにおいて大脳の反応ではなく、脳幹の反応が優先されてしまいます。つまり、「戦う」か「逃げる」か「固まる」かという反応をしやすくなってしまうのです。それは、戦うべきではないとき、逃げなくてもいいとき、固まる必要がないときでさえも、そういった反応をしてしまうということを意味しています。子どもにとって、とても生きづらいことが想像できるのではないでしょうか。

「アメリカ最先端医療の実証1日2分!脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる」より 

非常に鋭く発達っ子の核心を突いていますよね。

本書ではこの後、反射の中でも肝となるモロー反射についてへ。

「うるさいところが苦手」「大きな音や突然の光にびっくりしすぎる」というお子さんは珍しくありません。たとえば、うるさいとことにいるとその場から逃げてしまったり、雷が鳴ると、過剰なほどに怖がったり、運動会のピストルの音が苦手だったり・・・。親からすると、「ちょっと、怖がりすぎじゃない?」「どうしてこの子はこんなに憶病なの?」などと思ってしまいますが、実はこれ、原始反射のなかの「モロー反射」が残っているだけなのです。

「アメリカ最先端医療の実証1日2分!脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる」より 

このモロー反射が残っていると、不安感の強いお子さんになりやすいそう。

モロー反射はストレスに対する防御反応。何をするにもいつも不安そうにしているお子さん、新しい環境が苦手なお子さん。それ、もしかしたら性格ではなく原始反射が残っているだけかもしれませんよ?

続いて集中力の高い子と低い子の違いについて。

集中力の高い子と低い子がいます。実は、これにも脳幹部が関わっています。脳幹部にはRAS(Reticular Activating System)、日本語で網様体賦活系という機能があります。これは、目の前に起こることに対して、どれを認識するかしないかを振り分ける機能。簡単にいうと、自分にとって必要な情報をインプットする「フィルター」のようなものです。それが脳幹部にあるのです。

「アメリカ最先端医療の実証1日2分!脳幹を鍛えれば子どもの才能はどんどん伸びる」より 

このRASがフィルターとなり、不要な情報は取り除かれ、必要な情報だけが大脳へ届けられるのだとか。そして、集中力がないからといってRASが機能していないわけではなく、どんな子でも機能はしている。しかし集中力がない子は、そのフィルターが不要なものまで拾ってしまうという状態なのだそう。

先ほども記載した通り、脳幹は身の危険を感じたら瞬時に、逃げるか、戦うか、固まるかとなってしまうと、正しくRASを使い情報をフィルタリングすることは不可能。RASが脳幹に縛られてしまうと、人の話を「聞かない」のではなく「聞けない」ということに。

反射が残っていて良いことなんて何も無いということですね。

本書にはそれ以外にも、落ち着きがないいつも動き回っている飛び跳ねている子の理由や、乗り物酔い夜尿学習障害服の素材へのこだわりやタグが気になって仕方がないなどの困りごとへのヒントなど。あと面白かったのが、水泳に関して。平泳ぎが苦手、クロールの息継ぎが苦手にも原始反射の残存が関係しているのだとか。

定型発達の親御さんにも見ていただきたい内容がたくさん載っています。

原始反射の種類は本書では10種類載っていて、ほとんどの場合単独ではなく重複して残っているのだそう。後半には残存のチェックリストや家庭で楽しくできそうな脳幹トレーニングの説明(解説動画のQRコードが付いているものもありました)も載っています。

この記事を読んでくださった親御さん、お子さんは原始反射が全て消失(統合)していそうですか?

もし反射が残っているが故の困りごとがあるのであれば、そこを解消することによってお子さんのステージが1つ上がる可能性があるということ。もし気になる事があれば是非お調べになってみてください。

うちの多動ボーイにも心当たりがありありです。我が家でも脳幹トレーニングを取り入れてみたいと思います。

お子さん自身の困りごとが減り、少しでも楽しく豊かな人生が送れるヒントになれば幸いです。

それではまた!

ってクロージングした後になんですが、ひとつ、ずっと気になっていることがあります。

実際の支援の場では、そもそもお子さんの特性が強すぎて支援そのものが届かないケースもあると思うのです(うちの子も年中位までそうでした。療育やリハビリに行ってもテンションが上がりやすく走り回ってしまう&癇癪などでインプットそのものが出来ない状態。当然、療育のクラス分けでもそういったお子さんのクラスでした)。

届かない理由は色々あると思うのですが、その理由の一つに原始反射の残存が関係しているのであれば、療育以前の課題として、親御さんが少しづつでも脳幹トレーニングなりを取り入れてやっていくしかないのかな。。と思います。

近くに原始反射の残存を診て解消(統合)を目指してくれる事業所があればいいのですが、残念ながら千葉県内には無さそうなので。

でも、療育ではお馴染み?の「クマ歩き」、これは緊張性迷路反射にとてもいいそうですよ!

原始反射の残存については知っている人は知っているんだと思います。ですがそれを前面に打ち出している事業所はほぼ無い・・・。

んー・・・・ビジネスにならないからなんですかね?

いや、そこ、大いになるでしょ!!とわたしなら思ってしまいます。

ウフフフですね 笑

次回は投薬について、をお送りします。

それではまた!


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