詐欺電話から、自分と家族を守るために。「出ない仕組み」を先に作ろう

お金・暮らし

「自分は詐欺なんかに引っかからない」

たぶん、多くの人がそう思っているのではないでしょうか。

詐欺についてのニュースを見れば、「そんな電話、怪しいってわかるでしょう」と思ってしまいます。

でも、今の詐欺は、そんなに単純ではないようです。

警察官を名乗って電話をかけてきたり、(私にもかかってきました!)「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたは捜査対象になっている」などと言って不安にさせたり、SNSやビデオ通話に誘導して、偽の警察手帳や逮捕状まで見せてくるケースがあります。

警察庁も、実際にこうした「ニセ警察詐欺」が増えているとして注意を呼びかけています。しかも被害に遭っているのは高齢者だけではありません。2025年上半期のニセ警察詐欺では、30代の被害が最も多く、次いで20代でした。

つまり、

「私はまだ若いから大丈夫」
「インターネットには詳しいから大丈夫」
「詐欺のことは知っているから大丈夫」

とは言い切れないのだと思います。

仕事が忙しいとき。
子どものことで頭がいっぱいのとき。
寝不足のとき。
何か心配事があるとき。

人間なら誰でも、冷静に判断できない瞬間があります。

だから、「自分が見破ればいい」と考えるよりも、そもそも詐欺師と接触しにくい仕組みを作っておくことが大切なのだと思います。

電話に出る前に防ぐ

警察庁では現在、特殊詐欺などの被害防止に有効として一定の基準を満たした民間アプリを
「警察庁推奨アプリ」として紹介しています。

その一つが、無料の

「詐欺対策 by NTTタウンページ」です。

特殊詐欺などに使われた可能性の高い電話番号を判別し、該当する電話について警告を表示したり、利用環境によっては着信を遮断したりします。

また、NTTタウンページの事業者データベースを利用して、電話帳に登録していない番号でも会社名などを表示する機能があります。警察庁からの防犯情報もアプリ内で受け取れます。iPhoneとAndroidでは使える機能に一部違いがありますが、「知らない番号から突然電話がかかってくる」という場面での一つの防御になります。

詐欺電話を見破る能力を鍛える前に、詐欺電話に接触する機会そのものを減らす。

電話がかかってこなければ、その電話には騙されません。

自分の判断力だけに頼らず、仕組みに守ってもらう。

今の時代には、こちらの方が現実的なのかもしれません。

「高齢者だけの問題」でもありません

2025年の特殊詐欺の被害額は、警察庁の確定値で約1,423億円。前年の約2倍になりました。

確かに高齢者の被害は深刻です。2025年の特殊詐欺では、65歳以上の被害額が全体の59.0%を占めています。

一方で、ニセ警察詐欺などでは20代、30代にも被害が広がっています。

だからこれは、

「おじいちゃん、おばあちゃんに気をつけてもらおう」

だけではなく、

私たち自身も気をつけ、親も子どもも含めて家族みんなで対策する問題

なのだと思います。

特に離れて暮らす親がいる場合には、アプリのことを伝えるだけでなく、実際にスマートフォンを一緒に見ながら設定してあげるのも一つの方法です。

親の財産を守ることは、もちろん親自身の生活を守ることです。

そして、もし老後のために蓄えてきたお金を詐欺によって失ってしまえば、その後の生活は子ども世代にも関係してきます。

何より、お金を失った精神的なショックは計り知れません。

実家の固定電話も確認しておきたい

もう一つ見直したいのが固定電話です。

警察庁は、「+1」「+44」などから始まる国際電話番号を利用した特殊詐欺が多発しているとして、普段海外との電話を使わない家庭には国際電話からの着信を止める対策を呼びかけています。

固定電話については「国際電話不取扱受付センター」で、国際電話の着信休止などを申し込むことができます。

これはKDDI、ソフトバンク、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモビジネスの5社が提供している正式なサービスです。

実家に固定電話があり、海外から電話がかかってくる必要がほとんどないのであれば、一度確認してみてもよいと思います。

怪しい電話が来たら、その場で解決しない

そして、どんな対策をしていても、すべてを防げるとは限りません。

もし警察官や金融機関などを名乗る人から突然電話があり、

「あなたが犯罪に関係している」
「口座を調べる必要がある」
「お金を移してください」
「SNSで連絡してください」

などと言われたら、その電話の中で問題を解決しようとしないこと

いったん電話を切る。

そして、相手から教えられた番号ではなく、自分で公式の電話番号を調べて確認する。

警察庁も、警察がSNSで連絡したり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったり、捜査を理由にお金を要求したりすることはないと明記しています。不安な場合は警察相談専用電話「#9110」へ相談できます。

お金を増やすことより先に、守ること

一生懸命働いて、節約して、少しずつ貯めてきたお金。

それを増やしていくことももちろん大切です。

でも、その前に考えておきたいのが、

「今あるものを守る力」

なのだと思います。

何年もかけて貯めたお金が、一度の詐欺で失われてしまうことがあります。

だから今日、5分だけでもいい。

自分のスマートフォンの詐欺電話対策を確認する。

家族にも知らせる。

離れて暮らす親にも「こんなのがあるよ」と連絡する。

そして実家に固定電話があるなら、その対策も確認する。

「自分は大丈夫」と思うことではなく、

騙されにくい環境を先に作っておくこと。

それが、これからますます大切になる「自分と家族を守る力」なのではないでしょうか。

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